History of NETFLIX

INTRODUCTION

アカデミー賞3部門受賞の『ROMA/ローマ』、製作費170億円の超大作『アイリッシュマン』などの話題の映画から、「ハウス・オブ・カード 野望の 階段」、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」、「全裸監督」、 「タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!」などの人気シリーズ、そして韓流ブームを再燃させた「愛の不時着」、「梨泰院クラス」「サイコだけど大丈夫」…、今や世界中で、映画・ドラマの話題の中心にNETFLIX作品があるといっても過言ではない。

世界190カ国以上での事業展開、有料契約者数1億8300万人(2020年 第1四半期)、2020年のコンテンツ投資額1兆5000億円、メジャー・スタジオ各社を尻目にアカデミー賞で最多ノミネート数を獲得、さらにコロナ禍の巣ごもり消費まで追い風となって最高益を記録。 世界最大の動画配信サービスへと成長を遂げただけでなく、製作面でもすでにハリウッド・メジャーを質量ともに凌駕して、国際的な映像ビジネスに革命を起こした全世界注目の最強企業NETFLIX。 怒涛の快進撃を続ける彼らは、なぜここまで勝ち続けられるのか!? その徹底した思想と戦略の原点は同社の創業期にあった……。

1997年に世界初のオンラインDVD配送レンタルサービスを提供する会社としてスタートした知られざる創業秘話から、新しいシステムの構築や市場の研究を重ねて業績を伸ばし、ついにはレンタル最大手Blockbuster社との全面戦争に勝利を収めたその知的な戦略と戦術。 さらに配信時代の到来を見越して、いち早く業態を配信中心に転換させた柔軟性とスピード感覚。 そして才能あふれるヒットクリエイターたちを囲い込み、魅力的なオリジナル・コンテンツ製作で他社を圧倒する豪腕と慧眼……。

これは、急成長を遂げながら映像ビジネスの最前線を行く、コロナ禍にも負けない無敵の最強軍団の驚きと興奮に満ちた壮大かつ痛快なサクセス・ストーリーにして、弱肉強食のビジネスで勝つための極意がぎっしりつまったベンチャー企業家のための最新教科書。

そして初めて明かされる業界裏話と極秘情報満載の禁断の暴露ドキュメンタリー!NETFLIXの正体を暴いたベストセラー「NETFLIX コンテンツ帝国の野望 -GAFAを超える最強IT企業-」(牧野洋/訳、新潮社)の著者ジーナ・キーティングが自ら脚本を執筆、NETFLIXの共同創設者で元CEOのマーク・ランドルフをはじめ、同社の主要創業メンバーや当時の競合相手たちが振り返る、笑いと涙、成功と失敗のエピソードの数々に一喜一憂、阿鼻叫喚、目からウロコの連続。 各国の映画祭、全米有名辛口批評サイトでの超高評価と絶賛の嵐、業界騒然、関係者震撼、各国で配給権の争奪戦が繰り広げられた、今年最も見逃せないドキュメンタリー映画がこれだ! 映画館でしか観られないNETFLIXの真実と秘密、そのすべてがここにある。

COMMENT

Netflixという会社の歴史からして“Netflix的”である。 このドキュメンタリーがいつか作られるであろうことを想定していたかのように、エキサイティングだ。 『NETFLIX 世界征服の野望』がエンターテインメントの世界を描いた近未来SF映画のように思えてならないのは僕だけだろうか?
――秋元康
こんな過酷な弱肉強食の世界があったのか!
登場するNETFLIXのメンバーたちに愛らしさを感じつつ、その実、描かれるのは「結果としてすべてはビジネスであり金儲けである」という冷徹で恐ろしいメッセージに戦慄
――豊島圭介(映画監督)
Netflixという企業を見ていると、どうしてか、闘争意欲盛んな「プロボクサー」が頭によぎる。 ライバルの存在が己を強くしてくれると言わんばかりに、本来、苦しさや厳しさの象徴である「競争」を、むしろ本気で愉しんでいるようにさえ思えるから。 いまだに、リードCEOが掲げる3大使命の中に、「ライバル企業を倒す」とあるのは、極めて忠実に、この企業の本質を表している気がする。 本作品内でもやはり宿敵との死闘が鮮明に描かれるが、その手に汗握る闘いぶりに、まるで自分がセコンドに立っているような錯覚に陥る。 ライバルの血が滲んでいる赤い「N」という文字に、これからどんな新しい闘いの歴史が刻まれるか、楽しみしかない。
――前田裕二
(SHOWROOM株式会社 代表取締役社長)
超実力主義で結果を出せなければすぐに解雇。 数学オリンピックにも出られるようなデータ分析家や天才エンジニアを多数擁し、テクノロジーとビッグデータで世界征服を狙う――ともすれば“冷たい”企業イメージが語られがちなネットフリックスの根幹に「エンタメを通じて世界を変える」という熱いDNAが宿っていることがわかる傑作ビジネスドキュメンタリー。 既に同社を離れた中心人物や、切磋琢磨したライバル企業のキーパーソンたちが多数出演しているが、同社のカルチャーを懐かしげに語る彼らの表情はみな一様に清々しく、そのことが最も印象に残った。
――津田大介
(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
いつだって新しい世界は無知で無謀なイカれた奴らが創る。 いま世界中の人たちが当たり前に使っているNetflixも起業当初はDVDレンタルの配送屋だった。 教科書的に時代を振り返ると斬新なアイデアやテクノロジーが世界を変えているように見える。 しかし最も大切なものは強い意志だ。 絶対に自分たちが新しい常識を創るのだというクレイジーな妄想だ。 金が無くなっても、ライバルが強くても、批判にさらされても、バカにされ笑われても、一筋の光が差し込むのを信じて真っ暗闇で走り続けられるかどうかだ。 そして、その道中で味わう希望や絶望こそが人生であり、最高のエンターテインメントであると、この映画は教えてくれた。 僕もまた頑張ろ。
――箕輪厚介(幻冬舎・編集者)
スタートアップやりたいヤツは黙って全員観ろ
――明石ガクト(ONE MEDIA代表)
不可能だと思っていた夢が叶った時、望外の喜びと興奮で満たされるんだろうなぁ~と想像したことってありませんか? 今や誰もが知っている「NETFLIX」。 その一企業の成功譚ではなく、まさにメディアの歴史が変わった「関ヶ原の戦い」です。 レンタルビデオサービスからネット配信のサブスクリプションへと移行する日がくるなんて。 私たちはとてつもなく進化した彩りある時代に生きていると実感した104分でした。 動画エンターテインメントの歴史的メディア転換を仕掛けた人たちの世界征服をぜひ皆さんの目で! そして見終わった後「野望は諦めず自己研鑽し続ければいつか叶う!」と背中を押されるかも……。 ちなみに私はガツンと押されました!
――市野瀬瞳(フリーアナウンサー)

PRODUCTION NOTE

映画『NETFLIX/世界征服の野望』(原題:Netflix vs. the World)は、ローン・スター国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞に輝き、ガーデン・ステート映画祭に正式出品された2020年に最も注目を集めるドキュメンタリー作品である。 破竹の勢いで成長を続けるNETFLIX社、その隆盛の背後では何が起きていたのかを関係者たちの証言を元にひもとく。 かつて米国最大のレンタルビデオチェーンとして一世を風靡しながらNETFLIXに息の根を止められたBlockbuster社(2013年11月に倒産)の旧経営陣らも登場し、スリリングな展開で観客を魅了する

現在のコロナ禍において、もしもNETFLIXが世界的に展開する映像ストリーミングサービスがなかったとしたら、人々の生活や楽しみは大きく損なわれていたことだろう。 しかし本作品で明かされるように、かつてNETFLIXは企業として存続できるかの瀬戸際の状況を何度も味わってきた。 それが今やウォルト・ディズニー、20世紀フォックス、ワーナー・ブラザーズというエンターテインメント界の巨頭3社の合計を上回る時価総額を記録するほどの超巨大企業へと成長を遂げた。 直近の四半期(2020年 第2四半期)だけで1010万人もの新規登録者を獲得し、全世界の登録者数は合計1億9300万人という驚異的な数に達しているのだ。

本作品の原作者であるジーナ・キーティングとメガホンを取ったショーン・コーセン監督は、初期のNETFLIX社がいかにもがき、苦しんだのか、創業メンバーや元社員による数々の証言・写真・記録などをもとに解き明かす。 そこに登場するのは、マーク・ランドルフ(NETFLIX 元CEO 共同創設者)、ミッチ・ロウ(NETFLIX創業メンバー 現Redbox会長)、ジョン・アンティオコ(元Blockbuster 会長兼CEO)、ニック・シェパード(元Blockbuster COO)、シェーン・エバンジェリスト(元Blockbuster オンライン事業責任者)、ビル・メカニック(映画プロデューサー)、フランク・スミス3世(広告評論家)ら錚々たる面々。 彼らが今だからこそ明かす衝撃エピソードの連続こそ、本作のハイライトといえる。 NETFLIXによって火蓋が切られたエンターテインメント技術革命ではあるが、ハリウッドのメジャー各社は近年、自社の作品を自らが運営するストリーミングサービスの下で公開する動きを見せつつある(Disney+、Apple TV+、HBO Max、Peacockなど)。 NETFLIXが最高益を更新し続け、オリジナル作品は世界各地の映画祭で高い評価を獲得しているとはいえ、その地位は決して将来にわたり保証されたものと言い切ることはできない。 20年前にリード・ヘイスティングス(NETFLIX現CEO)と共に会社を立ち上げたマーク・ランドルフは本作品中で次のように語る。

「この映画は、リードと私が消費者に対して映画やドラマの新しい楽しみ方を伝えるためいかに苦心したか、難題に挑戦した姿を鮮やかに描き出す。そして別の一面からは、創業チームの勇気と創意工夫によって会社が一大エンターテインメント企業へと変貌を遂げていく、その様子を捉えた極めて個人的な物語でもある」 NETFLIXに遅れを取る形でBlockbuster社が立ち上げたストリーミングサービスがBlockbuster Onlineだったが、今となってはその物語はほとんど知られていない。 かつて同サービスの責任者を任されていたシェーン・エバンジェリストは、本作がBlockbuster Onlineの実態にも初めて光を当てたことに対して感謝の意を表しながら、次のように語る。

「極めて興味深い物語だろうとは思う……変化の儚さ、そして最高に練り上げた計画がウォールストリートのエゴによって妥協せざるを得なくなる実態を、この映画はよく捉えている」 そして本作品は、NETFLIXの“残忍さ”にも迫る。 かつてBlockbusterとの間で繰り広げた死闘は、今後繰り広げられるであろうDisney+、Apple TV+、HBO Max、Peacockら競合サービスとの熾烈な戦いにNETFLIXがどのような戦略を持って臨むのか、示唆に富むものだ。 劇中において、同社創業チームのメンバーたちはブレイクスルーの瞬間と彼らが犯したミスについて包み隠さず吐露する。「Qwiksterの過ち」と「中華AVスキャンダル」、どちらも悲惨な失敗だが、それはそれで実に興味深い。 いずれにしても、このドキュメンタリーが提示するのは、シリコンバレーの(熱しやすく冷めやすい)ブームバスト文化、そしてコンピュータオタクの小さな会社が、やがて初のオリジナル作品(『House of Cards』)に成功の保証もないまま1億ドルもかけられるほどの資金と気合をもったチームへと変貌を遂げる物語なのだ。 今日のあらゆる状況が、今このドキュメンタリー作品を公開することの必然性を示している。 世界中で、テレビの前に集まる理由が“NETFLIXを見るため”に変化しつつあるのだ。 その変化が加速すればするほど、あなたは本作によってストリーミングビジネスにかけるNETFLIXの根底にあるビジョンが、かつて“夢物語”とされていたことを思い起こさずにはいられないだろう。

現状、Blockbusterは わずか1店舗を残すのみ となった。 映画館ビジネスの未来も、かつてないほど不透明感を増している。 最高のアイデアほど最初は嘲られ、あり得ないものとして軽視される――『NETFLIX/世界征服の野望』を見ればわかるはずだ。

STAFF PROFILE

監督 ショーン・コーセン
Director SHAWN CAUTHEN
本作品が初監督作品となる。すでに米バイアコムCBS傘下の幼児・児童向けケーブルテレビチャンネル「Nickelode on」の内幕に迫るドキュメンタリー『The Orange Years: The Nickelodeon Story』も撮影を済ませている。 ちなみに同作では大ヒットドラマ『それいけ! ゴールドバーグ家』の製作者であるアダム・ゴールドバーグと共にプロデューサーを担う。 現在は監督としてドキュメンタリーシリーズ『Fan Level Midnight: Devoted to The Office』を製作中。 こちらはHBO MaxのCCO(最高顧客責任者)ケヴィン・ライリーや、映画監督ポール・フェイグに密着し、レスリー・デヴィッド・ベイカーなどをキャストに迎えている。 さらに、アンネ・フランクの父親オットーに関する自身の短編ドキュメンタリーを基にした新作『Call Me Papa』を構想中である。
プロデューサー
マイケル・フラハーティ/
ヴァレリー・マクゴーワン
Producer MICHEAL FLAHERTY/VALERIE MCGOWAN
フラハーティは1999年にWalden Mediaを設立、2014年まで社長を務めた。 これまでに20本以上の映画作品をプロデュースし、世界興行収入は合計30億ドルに上る。 現在は、同じく数々の映画にプロデューサーとして参加し、『The Little Prince』(英国アカデミー賞 ベストファミリー映画賞)や『Step』(サンダンス映画祭 審査員大賞)、『I Can Only Imagine』などで知られるマクゴーワンと協働。 両者は昨今、ポッドキャスト会社Think Again Studiosを設立し、「Raven 23: Presumption of Guilt」を制作。 ジャーナリズムから高く評価されている。
原作者 ジーナ・キーティング
Writing GINA KEATING
長年にわたりジャーナリストとして活躍。 過去には、同じくNETFLIXを題材にした書籍『Netflixed: The Epic Battle for America’s Eyeballs』(2012)も出版。 「Business Wars: Netflix vs. Blockbuster vs. HBO」や「Raven 23: Presumption of Guilt」などのポッドキャスト番組でもトップレベルの人気を誇る。